私が家事代行サービスの仕事を始めてから、約17年になります。
独立する前、会社員時代は技術系、エンジニアできたので、この家事代行の仕事の経験はなく、それまでのデジタルから超アナログの業界に飛び込みました。
まさに180度、真逆の世界への転身でした。
そんな初めはなにもわからないこの家事代行の業界。
もちろん、市場調査などをしてからスタートしましたが、仕事も続けていくうちに、開業当初、思いもしない、想定外、考えてもいなかった事実にぶち当たりました。
そんな実際にやってみないとわからない、やったからこそわかる事実をいくつか紹介したいと思います。
【時間制】常に時間を意識する
まず、掃除などの仕事がどういう内容でやるのか、がそもそもよくわかっていなかったため、ハウスクリーニングのように、依頼内容、料金体系は、場所毎の設定だと思っていました。
しかし、よくよく調べてみると、この家事代行という仕事は、”時間制で仕事を請け負う”スタイルでした。
当然、決められた時間内に決められた仕事内容、量を終わらせなければいけません。
ということで、常に時間を意識しながら仕事をするということが何よりも大事ということに気づきました。
(もっと最初から気づけよと言われそうですが…)
したがって、スタッフさんたちの最初の研修では、この時間制ということをまず最初に認識してもらっています。
留守宅(不在時)での仕事が多い
これも私自身、予想外のことだったのですが、家事代行は留守宅(お客様が不在)で仕事をする機会ががとても多いということです。
これは他の仕事ではあまりないと思います。
なぜかというと、家事代行の最も多い顧客層が共働き世帯だからです。
もちろん、独身の方、高齢世帯のお客様もいらっしゃいますが、比率でいうと約半数以上は共働きのお客様です。
やはり仕事や子育てなど、時間的に忙しく、家の中のことまで手が回らない方々が依頼されてきます。
共働き・・・ご夫婦は仕事、お子さんは保育園や学校
平日昼間は誰もいません。
※コロナ渦以降、テレワークなどで在宅のお客様も増えてきましたが、まだまだ不在の方が多いです。
ですので、必然的に留守の時にお伺いするケースが多くなっています。
多少違いはあれど、この訪問形態の傾向はどの家事代行代行会社も同じだと思います。
男性スタッフの訪問は敬遠されがち
これこそが私が一番ビックリ!
想定外のことでした。
最近は男性スタッフがいる会社も増えてきているようですが、男性スタッフが担当すると伝えるとかなりの確率でNG、敬遠されがちです。(弊社は男性スタッフはいません、全員女性スタッフ)
最悪、契約しないというお客様も….。
なぜかというと、
共働き世帯が多いと書きましたが、打ち合わせなどで対応されるのは、そちらの奥様がほとんどです。
場合によっては、平日の休みの日に来てほしいという要望があり、在宅での訪問となります。
その奥様がおひとりの時に、男性スタッフが来るのはちょっと….というのが主な理由です。
※開業当初、スタッフ数よりも仕事の依頼が増えてしまい、人手不足になったため、わたくし自身(男性)がスタッフが補充されるまでの一時期の間、訪問させていただこうとしましたが、全案件、断わられました。
それくらい男性というだけで敬遠されます。
洗剤、道具類はお客様宅のモノを使わせていただく
仕事で使う道具(洗剤、掃除機、モップ、バケツ、ぞうきん等)は、お客様宅のモノを使わせていただきます。
原則、持ち込みはしません。
これが同じ掃除をする仕事でもハウスクリーニングとは違う点です。
※ハウスクリーニングは逆に洗剤、道具類は持ち込みが基本です。
ですので、家事代行の場合、スーパーなどで市販されている普通の洗剤を使用しますので、どうしても落ちない汚れが少なからずあります。
それに対し、ハウスクリーニングでは普通の洗剤ではなく、業務用の洗剤(洗浄力が強い)や道具を使用しますので、ほとんどの汚れは落としてくれて、ピカピカにしてくれます。
そこが同じ掃除でも違うところかもしれません。
※掃除で汚れは落ちるかは、洗剤や道具にかなり左右されます。
作業の印象も大事
この家事代行という仕事は、依頼された内容をしっかりとやることが大前提ですが、ただ仕事をやればいいというわけではありません。
お客様が見た、感じた”印象”がとても重要になってきます。
どういうことからいうと、
たとえば、掃除をやっている途中、スタッフの動きや仕事ぶりは意外と見られています。
その時に、なんとなくテキパキ動いていないなど、作業の動きが遅いという印象を与えてしまったり、掃除した後に汚れが落ちてきれいになったとしても、ちょっとしたゴミや髪の毛が残っていたりすると、お客様が見た印象というのは決して良いとは言えません。
それは、作業後の見直しチェックが甘かったのが原因ですが、せっかくがんばって掃除しても、最後のチェックがしっかりしていなかったばかりに、それまでの頑張りが無駄になってしまいます。
お客様が掃除の仕上がりを見るのは、掃除をした後なので、最後の最後に多少でも残っていれば、ちゃんとやっていないと思われてしまう可能性もあります。
そういう意味で、印象が大事というわけです。
ただ、作業すればいいわけではありません。
ビジュアル面も大事
これは先ほどの印象ということと関連していますが、”きれいに魅せる”ということもとても大事です。
あえて、”見せる”ではなく”魅せる”という漢字を使いましたが、文字通り、よりきれいに、より魅力的に見えるように仕事をする。
それがとても大事になってきます。
ある意味、この仕事の大事なことの半分は、この魅せるかもしれません。
それくらい大事な要素です。
掃除をしたら、ステンレスの水栓をピカピカに磨きあげる。
ソファの上のクッションはきれいに並べて、セットする。
洗剤などのボトルは、ボトルやノズルの向きを同じ方向に向ける。
など、一例ですが、こういうことがとても大事です。
これこそが魅せる、ビジュアル面が大事ということです。
こういうことも最初うちはわからなかったです。
実際にお客様と接して、話をして、こういうことが大事なんだと初めてわかったことが今になって思い出されます。
まとめ
私自身がこの家事代行の仕事を通じて、やってみてはじめてわかったこと、想定していなかったことなど、家事代行サービスの特徴をまとめてみました。
他にもいくつかあるのですが、特に印象に残っていることは以上になります。
やっぱり、仕事でもなんでもそうですが、実際にやってみないとわからないことはいろいろありますね!